魔裟斗

父の勤めていた会社の方のお宅に挨拶に行った。
あいにく社長夫妻は不在で、母のおばさんしかいなかった。
そのおばさん、いつも僕を「マサト君」「マサト君」と呼ぶ。
惜しいんだか惜しくないんだか、一文字しか合っていない。

その後、妹の運転でコロの眠るペット霊園に。
霊園といっても、お墓がある訳ではない。
お骨を置いている、いわゆる“納骨堂”のような場所である。
ゆくゆくは、集合墓地に入れると言っていたが、それも何だか寂しい気がする…。
僕の勤務先のお客さんが勤めるレストランが途中にある。
後部座席に座る僕は、運転席と助手席の会話に耳を傾ける。
「ここ、来た事あるよね」
「あんま美味しくないよね」

やっべぇ、何も言えねぇ…。

今日は一日中、雪が降っていた。
相変わらず、寒い日が続いている。
トイレの最中、カレンダーに目をやる。
父が他界した日、その日は立春だった。
おとん、春はまだ先のようだよ。

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