Final Fantasy

今夜は、職場で一番付き合いの長いH君と今月唯一、最初で最後の夜勤となった。
先月は鬼軍曹こと、たっ君の策略により1度も職場で顔を会わせる事がなかった。

辞めてしまう事は、実に寂しい。
ムードメーカーであった彼の存在は、職場にとってかけがえの無い物。
業務が重なったり、忙しくなって余裕がなくなると
どうしても職場の雰囲気はピリピリしてしまう。
そんな状況を“笑い”で和ませてくれたのが、H君である。
ちょっとした本音を漏らせる事が出来るのも、彼が彼らしく居てくれたからなのかも知れない。

H君の日報(というべきか、もしくは日記)を楽しみにしていた重役。
マネージャーを追って引越しをした矢先、そのマネージャーが引っ越してしまうという事件。
後輩に「足がくさい」と罵られても、笑っていながら実はこっそり傷付いていたセンチメンタル。
飲み会の数日前に帰って来た健康診断の結果に於保美得ていた日々(と、それにt付き合わされた健康体な僕等)。
仮眠明けは急に老ける。
レスタで見せたぼっちゃりボディ。
そして、僕の父の葬儀にマネージャーと駆けつけ、ふいに見せた泪。

思い返せば、どれもこれも色濃い思い出ばかりである。

他人だから言える「相談の答え」は、僕の本心。
しかし、僕は彼の転職を祝う。
理由はどうあれ、彼の新天地での活躍を心から願う。
そして、今後の彼の幸せを信じる。
頑張れ、H君。
いつでも戻って来い。君の居場所は、いつでもある。

ああ 僕らを待っている
明日はどんな色だろう
ああ 僕らは越えて行ける
明日がどんな色でも
ああ 僕らが描いた夢が
明日の色になるから いつもそばにいるよ

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