小さな頃にはあんなに高くにあった空が今、
少しだけ近くに見える。
多分それはきっと、気付かない間に僕等が大人に
近付いたからだろう。
不思議な形をした雲は、
ちょっと目を離せば消えてしまった。
もしも僕達の背中に翼があったなら君は、
何処に行くんだろう?
僕は取り敢えず行く先は決めず、ただ高く空の
果てを目指すよ。
空を飛ぶ飛行機、手に取って遠くへ投げ捨て
走り去った。
歩道橋の上から
見えたあの空は何処まで続くの?
僕達はいつでも
下ばかり見て歩いていた。
誰かの足跡を辿って歩くのは、もうやめよう。

遠く空の向こうで聳え立つ煙突から吐き出される
煙は空を覆い尽くし
陽が傾き出し、赤く染まった空。僕を何時までも
追いかけてきた。
その一瞬を切り取っても、濁った色だけは
隠せなかった。
雲の切れ間から覗いた夕日はまるで泣き腫らした
目をしてたんだ。
何処までいっても変わらない景色数え切れない程、
見上げてきたけど
退屈凌ぎに仰ぐだけで、
この町の空には星は見えなかった。
国道を埋め尽くす車の列追い越しても
見えない終わりに、喜びも悲しみも無い。
溜息をつくのは少しだけ待とう。
灰色の溜息つくのは もう少し 後にしよう。

周りはいつもと変わらない日々過ごすのに、
小さな箱の中で毎日は繰り返してる。
僕は僕の、君は君だけの この空の下にいよう。
いつまでも…。いつまでも…。

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