あぁ、このテラスから見下ろせば街は模型みたいで、
あぁ、数えきれぬほど多くの言霊が飛び交っているよ。
子供の頃見たモノクロの
映画の中にあったような街は 見渡せど何処にも無い。
ほら、さっきまで降っていた
雨は止み空気が湿り始め、
そう、レインロードが乾く前に
出掛けよう、荷物持って。
水溜まりの中に映った虹は、
とても綺麗だった。
僕が思うほど、君は大きくはないなりに
きっと遠くへ手を伸ばしている。
君が思うほど、僕は小さくないように
多分翼を広げ威嚇する。
怖がったっていいさ、怖がったっていいよ
あぁ、水面に浮いた花びらはまるで踊っているようで
あぁ、時計仕掛けの交差点の渦と人の流れ。
偽善にまみれたスーツの裾、
着飾ったつもりでも隠しきれず真実が見え隠れ。
ほら、目の前を歩いていた人は
立ち止まり伏し目がちで、
そう、パントマイムの様に嘘で
誤魔化した意識はないけど
アフレコのようにセリフを並べ、
悪戯に刺激した。
君が思うほど、僕が弱くないはないなりに
きっと楽しむ術を知っている。
僕が思うほど、君が強くはないように
多分足並み揃え並んでいる。
出遅れたっていいさ、出遅れたっていいよ